会計士だってAIを作りたい

公認会計士として働きながらも会計監査を変えるためにAIを研究している、そんな人たちのAIブログです

私は会計士を“作ろう”と思う。

「会計士の価値はどれだけ基準を知っているかで決まる」


とある同期が言い放った発言に私は拭いきれない違和感を感じました。
確かに会計士になるには膨大な知識を詰め込むことが必要です。会計士になってからも次々と改廃される会計基準、日進月歩する企業実務に追いつく必要があります。そのために知識を更新すべく日夜勉強すること自体には批判される余地はありません。

 

でも本当に会計士の価値の“本質”はそこにあるのでしょうか。
会計基準は一般に公開され財務情報も広く開示されている今日、それをどれだけ知っているかが果たして本当に会計士の将来にわたる競争優位となりうるのでしょうか。
今の私はこの問いへの答えを持っていません。でもどのようにアプローチするかの方針はあります。

 

会計士にとって重要な要素として職業的懐疑心はどれだけ強調しても足りません。そして現代の会計士はこの「疑う」という姿勢を主にクライアントに向けています。
しかし本当は自分たちの存在にこそ疑いの目を向けるべきではないでしょうか。自分たちの価値を自分たちで徹底的に疑う、どこまでも疑う、そしてどんなに疑っても否定できないものがあるとすれば、それこそが会計士の価値の本質ではないでしょうか。

 

まずは現状の知識ベースの会計士のあり方への問題提起として、会計士版ワトソンを私たちのチームでつくろうと思います。ワトソンが医師の保有する情報を大量に学習し、それをもとに患者に対してより適切な診断をできるようになったことは有名です。これを会計士でもつくろうと思います(実際にIBM Watsonを使うか、Pythonなどを用いるかは未定です)。具体的な作成の方針や過程はまたこのブログで公開していきます。

 

私は誰よりも優れた会計士になろうとは思いません。しかし従来の会計士をAIでつくり、そしてそれを受けて新しい会計士の形をつくることに少しでも貢献できればと願います。

今回の記事では思い切って広く大きく青写真を描きました。夢を語ることは自由です。しかし語った夢には実現する責任が伴います。私はこの責任に誠実性をもって臨んでいきたいです。よろしくお願いします。